今回はmacのガンマ設定が2.2、またはPCでOKな理由を解説する。今回は少ない内容だがガンマ設定で悩んでいる人はそこそこ多いと思うので一助になれば幸いだ。
ちなみにガンマとはざっくりいうと「PCからモニターに入力される信号の大きさと出力される信号の関係」らしい。これ以上は言わない。正直自分も理解できてない。詳しくは各自調べてほしい。
目次
macのガンマ設定

数ヶ月前にモニターの色設定欄には「ガンマ」というものがある。開くと「PC」または「MAC」と選択できる(Dellの場合)。モニターによっては細かく数値で調節できるらしい。

ガンマの設定で「PC」と「MAC」が出てくるのは、昔windowsとmacでガンマ値が異なりwinは2.2(PC)でmacは1.8(MAC)だった。何故そうなったのかは下にまとめておく。
もともとwindowsとmacは設計思想が異なっていた
windowsは大衆にパソコンを普及させることを目的として使用されていたテレビのガンマ値に合わせて2.2になった。
一方macはクリエイティブ用途を想定して印刷業界の基準であるガンマ値1.8に合わせられていた。
このような設計思想の違いが数十年経った今でも「macがクリエイティブ向け」と言われる所以だ。
なんとなくMACにしたほうが良さそうだったので設定したのだが色がおかしい。なんだか明るすぎる気がすると思いもう一度調べてみた。
MacOS X 10.6のアップデート
引用;amazon.co.jp
macOS X 10.6(macOS X Snow Leopard)からガンマ値の標準が1.8から2.2に変わった。sRGBやadobeRGBとの互換性を考慮した結果らしい。
この時点でガンマ値の”標準”が変わったためこれ以降のmacOSではガンマ値は2.2でOKなのだが、これで終わりでは文字数が足りない。
知っている人もいると思うがDisplay P3規格。これの登場でmacのガンマ値の基準が明確に2.2になることとなる。
Display P3の存在
Display P3とは
引用;JAGAT(公益社団法人日本印刷技術協会)
Display P3(以後P3)とはappleが策定した新しい色空間の規格だ。
ちなみに、色空間というのは「使用できる色の幅」となる。似た言葉で色域というのもあるがそれは「色空間内で利用できる色の幅」だ。
上の画像で言えば、色空間は2つの直線が丸い部分のある三角形の範囲、色域はカクカクした三角形の範囲だ。
話が逸れてしまった。DisplayP3は、一般的なsRGBよりも緑の表現力が高くよりきれいな色を使用できる。最近のmacやiPhoneはもちろん一部のandroid端末も対応している。

例えばPixelのカメラアプリの設定欄にしれっと存在する。
Display P3のガンマ設定
もちろんP3にもガンマの数値がある。その数値が2.2だ。

ガンマの値は合わせないと色がおかしくなるのでモニター側も2.2に合わせる。Dellのモニターの場合は「PC」に設定する必要がある。
逆に言うと「Mac」だったとしても「MAC」に合わせてはいけない(露骨な文字数稼ぎ)。
最近のmacbookはP3を採用
最近のmacbookは高い色域をアピールするため「P3」という言葉を多用する。そのP3が今まで解説してきたDisplay P3だ。
つまり近年のmacbookはP3の色域を使っている。そのためガンマの設定は2.2/PCにする必要がある。ということだ。
引用:apple
見分け方は技術仕様のディスプレイ欄にて「広色域(P3)」と書いていれば確実だろう。
注意点
このガンマ設定には2つ例外がある。
カラープロファイルを変更している場合

↑macbookに入っていたカラープロファイル
macbookは初期設定では「カラーLCD」が設定されている。この場合は(多分)P3を使用しているがその他のプロファイルの場合ガンマ値が2.2ではない場合があるので各自調べて設定する必要がある。
ほとんどの人はこの設定を変えないと思うので問題はないハズ…
ガンマ値の標準が1.8の場合
先程書いた通りmacOS X 10.6からガンマ値が2.2に変更された。逆に言うとそれ以前のmacは1.8が基準となるので注意したほうがいいだろう。
とはいえmacOS X 10.6は2009年にリリースされたOSだ。なんとwindows7と同期のOSだ。
もちろんサポート終了している。しかもこのOSはPowePCというIntelCPU移行前のCPUをサポートしている。つまり骨董品。
つまりガンマ値1.8が標準のMacは骨董品だ。普段から使っている人はほぼ居ないだろう。
最後に
結論は
「色をいじったり骨董品macを使っていない限りガンマ値は2.2でOK」
ということだ。…以上。
ここまでご覧いただきありがとうございました。