この大玉トラックボールを使い始めてもう半年が経った。時間の流れは速すぎる。
以前の1週間レビューと比べて、思ったこと感じたことが結構変わったから長期使用レビューを執り行う。
商品の外観は前のレビュー記事で嫌と言うほど撮ったからそっちを見てみてほしい。
目次
半年使った感想:大好きだが…

「おやおやこれはどういうことかな?」と思われるかもしれない。
前のレビュー記事では「角度つけすぎ」だの「掃除しにくい」だの「カスタマイズボタン増やせ」だの散々言ってた。
けど今ではこの欠点さえも愛おしい。それくらい気に入ってる。この素晴らしさを伝えていく。
もちろん、半年使用して感じた欠点も丸裸にする。
良かったことろ
親指(小玉)トラックボールでは味わえない操作感

Expertmouseを使う理由の70%がこれ。小玉トラックボールとは一線を画す操作感。
小玉が大玉だろうが操作は可能だ。小玉タイプもペリックスのボールに換装するだけで、滑らかに操作することができる。
大玉タイプでは、慣性が働く。これによって、”ボールを動かした”という感覚が小玉タイプより強く指先に伝わってくる。この刺激がたまらなく心地よい。
「慣性が働く=初動が重い」と思われるかもしれないがこのExpertmouse、ボールが超ヌルヌル。
おかげで動かし始めが軽いのに、慣性の心地よさを享受できる。
複数の指で操作するため、慣性によるポインタ精度の低下も起こらない。
スクロールリングは神

賛否両論あるこのスクロールリング、自分的には超絶使いやすい。
ノッチ(ホイールのカクカク感)がないから一気に回すことも可能だし、複数の指を使うことによって精密な操作も可能だ。心地もヌルヌルしていて心地よい。

回した際に出る音はチープだが、それ以上の使い勝手がある。
ボタンが押しやすい
前回散々書いた”角度つけすぎ問題”。これはリストレストを使うことで解決した。
後に「角度つけすぎなのは奥のボタンを押しやすくするための形なのでは?」と思うようになった。

突然だが、キーボードを想像してほしい。一番奥にあるF7キーなどが遠く感じるはずだ。チルトスタンドを立て傾斜をつけると、Fキーが比較的押しやすくなる。
これと同じ要領で、奥のボタンが押しやすくなってるのだろう。
ボタンの形もいい。横から掴むように押しても引っかかるようにできている。

悪いところ
ここまでべた褒めしてきたがもちろん悪いところがある。というか悪いところが無理という人も多いだろう。
操作感が超独特
これが一番の難所。
マウスは腕や手首を振ることで操作するのに対し、トラックボールはボールを触って操作する。
親指タイプのトラックボールは形がマウスと似てるためとっつきやすいが、マウスとは名ばかりのコレは慣れるまで時間が掛かると感じた。
親指タイプを使ってきた人はなれるまで早いと思うが、それでもちょっと手こずる。
この大玉タイプが馴染めなかった人の多くが、この独特な操作感だと思う。
体に優しいのは垂直トラックボール
このトラックボールは形から分かる通り、手のひらを水平にして操作する。つまり、手首はひねった状態になるため、手首の負荷はこちらのほうが上。


体(腕や手首)への優しさを考えたら、垂直なトラックボール(Pro Fit Ergo Vertical)のほうが優しかったな〜とつくづく思う。
生産終了しているが…
マウスは腕の筋肉を使用するが、トラックボールは使用しないため疲労感は溜まりにくい。
マウスを使用するたびに痛感する。
ボタンがテカる

たった半年でここまでテカってしまった。
個人的にはあまり気にならないけど、見た目重視な人は気をつけたほうが良い。
ボールは傷つきやすい

「お前の管理が悪いだけだろ」と言われればそれまでだが、半年使用して傷ができてしまった。たまに引っかかって不愉快だ。
原因は本体に入れたときと、カバンに入れているときの衝撃だと思う。
このトラックボール、支持部分に人工ルビーを使ってるため超硬い(モース硬度9)。そんなところにカンと当たると傷ができるのは容易に想像できる。
ボールを落とさないのはもちろん本体に入れる際も気を使ってほしい。
追記:ボール交換してもらった
引っかかりに苛つきながら耐えた結果慣れたが、操作時に気になって仕方ない。
ということでケンジントン(アコ・ブランズ・ジャパン)に連絡を取った。
結果戻り品(展示品のボール)を着払で送ってもらえることになった。これペリックスのやつだと4~5000円するし渋い赤色じゃなくなるからめっちゃ助かった(下アフィ)。
このようにケンジントンはボール単体の販売は行っていない。また戻り品のため在庫がない事が多いからそれなりに時間がかかることを覚悟したほうが良い。
ちなみに届いた戻り品は傷一つない美品だった。当然だけど操作感もヌルヌルで最高。意地を張らずに連絡すればよかった。
電池持ちはやや悪い

このExpertmouse,駆動時間が公表されていない。
これは環境によるが、Bluetooth接続の場合1ヶ月に20%減った。電池100%を使い切るのに5ヶ月かかる計算だ。
電池駆動の割に電池持ちは悪く感じた。とはいえ5ヶ月もバッテリー残量のことを考えなくてよいのなら許せる。ドングル駆動の際は知らない。
社外リストレスト必須

このトラックボールには、標準でリストレストがついてくるが正直イマイチ。何故かリストレスト側にも傾斜がついているせいで手首が痛くなる。

あとリストレスト自体が硬いせいで上画像の赤丸部分が痛くなって仕方ない。
リストレストは社外品であるエレコムのCOMFYをおすすめする(↓アフィ)。
持ち運びには覚悟が必要

据え置きを想定しているため、デカいし重い。
リストレスト(COMFY)込みで奥行き脅威の20cm。幅も12cmと普通にデカい。重さも余裕で300gを超える。持ち運びにはリュックが必要だし、そもそも外出先の机に置けるか怪しい。
また、ボールが本体に固定されてないから、専用のハードケースが必要だ。価格は大体2300円(高けぇ)。
↓アフィ

持ち運ぶ際は、多かれ少なかれ振動が本体にかかるからボールの間に緩衝材を挟んだ方が良い。
ケース内でボールが動くから、何かの拍子にボールと支持球がぶち当たるとボールが凹む。そんなこと起きてほしくない。
つまり、このトラックボールを持ち運ぶには
- ケース費用(2300円)
- 寸法(W16cm×D24cm×H6cm)
- 重量(670g)
- リュックの使用
- 机との兼ね合い
- 緩衝材(ボールと本体の間)
これらを甘んじる必要がある。
普通のマウスはカバンに突っ込めば良いし、親指トラックボールもちょっとした巾着にいれることで簡単に持ち運べる。でもこいつは無理。


自分はサンワサプライのTOK-MU2NBK2を外出用リストレストとして使用することで、ケースの隙間を有効活用している。
とはいえデカいし重いから、狂信者以外持ち運べない代物なのは変わらない。
一応アフィリンクを貼っておく。
最後に
大好きだが…
このトラックボール、デザインも操作感もスクロールリングも個人的には最高なのだが、デカかったり、めちゃくちゃ体に優しいわけでもなかったり、リストレスト必須だったりとデメリットが多い。
このトラックボールが好きだからこそ、おすすめすることはできない。
親指トラックボールを試した方が良い

もし「トラックボール気になるな…」と思うのなら、親指タイプのトラックボールを試してみることをおすすめする。
形がマウスにそっくりだから何よりとっつきやすい。あとトラックボールの特徴である省スペースという恩恵をちゃんと授かることができる。
親指が疲れるんじゃないの?と思われるかもだがその通り。けど使い続けていくと慣れる。
もし親指タイプで落ち着いたのならそのまま、辛いなら売り飛ばせば無問題。
親指タイプのおすすめは超定番トラックボールのM575。値崩れしにくいし人気だからすぐ売れる。静音クリックor新型がいいならM575SPだ。
↓M575(アフィ)
↓静音タイプ M575SP(アフィ)
魅了されたなら仕方ない

最初のトラックボールは親指タイプが良いというのが自分の結論だ。
それでも、「このExpertMouseが使いたい!」と心奪われた人は仕方ない。
自分も心奪われた一人だからよく分かる。その思いがあればきっと慣れることができるだろう。
同じ大玉トラックボールであるSlimblade ProとExpertmouseは結構似ている。人によってはSlimbladeの方が良いと思うから、比較した記事も貼っておく。
最後にExpertmouseのアフィリンクを貼っておく。
ここまでご覧いただきありがとうございました。