今回はステッドラーが発売するアバンギャルドをレビューする。店頭で見たときは単色ボールペンだと思っていたのだが、調べると多機能ペンだったときの衝撃は凄まじかった。
ステッドラーとは
引用;STAEDTLER
まず、ステッドラーについて説明しておこう。文具に精通している人なら知っている人もいると思うが、ドイツの文具メーカーだ。ドイツの文具メーカーだが日本製の文具が多い。正式名称は「STAEDTLER」だが、便宜上ステッドラーとカタカナ表記にしている。
引用:STAEDTLER
そんなステッドラーが送り出している多機能ペンが今回紹介する「avant-garde」だ。ちなみに読み方は「アバンギャルド」だ。前衛・先駆けという意味があるらしい。
実はアバンギャルドライトという多機能ペンもあるのだが大きな違いは、アバンギャルドが3色ボール(黒・赤・青)+シャーペンなのに対し、ライトは2色ボール(黒・赤)+シャープというところだろう。
特徴
外観の前に、アバンギャルドの大まかな特徴をまとめてみた。
- 振り子式
- 3色ボールペン+0.5mmシャープペン
- 軽量アルミボディ(18g)
1,多機能ペンのペン先の出す方式として一般的なのがノック式なのだが、アバンギャルドは出したいインクを上に向けてノックすると出てくるという振り子式を採用している。使い心地は後述する。
2,多機能ボールペンとしは一般的な3色(黒・赤・青インク)にシャーペン機能が搭載されている。
3.多機能ボールペンは重量が重くなりがちだがアバンギャルドは軸にアルミを採用することにより18gと軽量に仕上げている。
これを踏まえた上で外観に移る。
外観
次に外観を見ていく。

↑アバンギャルドのパッケージ。ステッドラーいつものパッケージ。

↑斜めから見るとSTAEDTLERの文字が現れる。

↑裏面にはアバンギャルドの説明が書かれている。

↑独特な梱包材で包まれている。

↑ペン正面のアングル。太く見える。

↑ペン尻には色の表記がある。青は◯のようなデザイン。


↑出したい色の表記を上に向けてノック

↑キャップを外すと消しゴムが現れる。最初気づいた時は壊れたのかと少し焦った。
書き心地
使ってみた感想の前に書き心地から。字の汚さには目をつぶってほしい。ちなみに自分は左利きで筆圧は弱めである。
細かな特徴は下にまとめた
・インク→油性
・リフィル→金属、D1規格対応
・色→黒・赤・青+0.5mmシャープ
・芯径→0.7mm(初期)のみ
・替芯→黒(92RE-09)・赤(92RE-02)・青(92RE-03)/別売:感圧式用スタイラスペン(92RE-ST)
リフィルの欄に「D1規格対応」と書いているが、D1規格は国際規格で太さ2.35mm、長さ6.7mmと決まっている。国際規格なので海外の多色ボールペンで採用されていることが多い。D型やD規格と言われることもある。
一方でとても似ている「4C規格」というのもあるが、これはゼブラ独自の規格で太さが2.4mm、長さ6.7mmと太さが微妙に異なる煩わしい規格だ。4C規格とD1規格は混合されがちだが、D1規格のボールペンに4C規格のリフィルを入れると、芯を入れる部分がガバガバになり、D1規格のリフィルが入らなくなる現象があるらしいから注意が必要。

自分が持っている中で最高のボールペンであるS20と比較してみた。金属リフィルの0.5mm(BRFN-30EF)を利用している。
初めに思ったのが「抵抗の強い書き心地」と感じた。普段抵抗の少なめのアクロインキを使用していることもあって書くのに疲れてしまった。あと文字の初めが掠れやすい。左利きの場合、ボールペンの仕組み上掠れやすいので仕方ない部分もある。
しかし、このリフィルには面白いことがある。筆圧を上げたときだ。筆圧を強くして書くと掠れが軽減される(掠れないとは言っていない)。しかも色が濃くなる。あと書き心地がやや滑らかになる。筆圧によって多少インクの出は異なるものなのだが、ここまで変わるリフィルは初めてなので面白かった。
しかし、筆圧を上げたとしても掠れやすいインクだからあまりお薦めはできない。
初期リフィルが合わなくても、このペンはD1規格に対応している。つまりアクロインキが使える(BRFSシリーズ)。黒は別で持っているので、0.5mmの赤・青・緑の3色にしようとルンルン気分で調べたのだが、悲しいことに緑色の0.5mmがない。アクロインキの鮮やかさと少しの摩擦感を最高に味わえる0.5mmがない。ちなみに0.7mmの緑はある。0.7mmの緑で妥協しようと思う。
あと、シャーペン機能も付いているが書き心地については期待しない方がいい。安い多機能ボールペンと同じ書き心地だ。
アクロインキ(緑)を入手しようといくつかの文具屋を回ったのだが入手できなかったので後日追記する。発注はした。

アクロインキが到着した。赤の0.5mm、青の0.5mm、緑の0.7mmを注文した。
1/15に注文して1/17に届いた。速い。ちなみにamazonではこのような特殊な組み合わせは見つからなかった。一方で楽天ではこのようなバラ売りがあったのでおすすめだ。
ただ、楽天では最低注文金額以下だと注文ができない事があるから注意が必要。自分が購入したショップの場合は300円以上出ないと注文不可だった。

↑同じD1規格だから寸法は同じ。上がアクロインキ、下が初期リフィルだ。
書いてみた。

流石アクロインキ 発色が違う。0.5mmである赤と青は一切の掠れなしで少しの抵抗感があり制御がしやすい。一方0.7mmの緑は抵抗感が少なくジェットストリームに似た書き心地。しかし掠れている。これは他のアクロインキ(0.7mm)でも一緒。何故か自分はボール径の大きい0.7mmのアクロインキのほうが掠れやすい。(ボール径が大きいほど掠れないはずなのだが…)

初期リフィルと比べると色の濃さがわかりやすい。それと同時に初期リフィルは0.7mmにしては細いこともわかる。
追記:ペン先に色を表す帯があるのだが、青と緑のリフィルを示す色が分かりにくいので注意が必要だ。(写真の写りを見ると結構違う様に見えるので写真は貼っていない)
使ってみた感想
やはり、ボディが金属製とあって昔から使っていた安物の多色ボールペンとは格が違う。
この多機能ペンの特徴として「振り子式」が採用されているのだが、使い心地は…普通といった感じだ。まだ慣れていないこともあって、「黒を出そうとしたのだが赤が出た」みたいなことが起こる。幸いにも、ペン先にインクの色の印がついているので誤って書いてしまうことがないのが救いだろう。
ただし、デメリットも存在する。
1つ目に、ボディに傷がついたように見えやすい点だ。自分がブラストブラックという少しザラザラしたモデルを選んだからというのもあると思うが筆箱に入れていると、謎の白い傷のようなものが入る。指でこすると消えるので今のところはいいのだが、見つけた瞬間ドキッとする。慣れたらなんとも思わず指で擦って消すようになった。
2つ目に、振るとカチャカチャ音がなることだ。これは振り子式という仕組み自体が原因だ。この仕組みは内部のおもりが重力によって下に向く→下にあるリフィルを押す。というような作りになっている。故に重りは固定されていなく、自由に動くので、内部でカチャカチャ音がなってしまう。
ただ、書いているときはあまり音はならないので気にはならない。しかし、持ち上げたときに音がなるのは不快に思う人もいるだろう。
3つ目に、インクだ。先程もインクについて述べたがインクの粘度が高すぎる気がする。正直、疲れてしまう。せっかくデメリットも少ないペンなのにインクという最重要項目がよくない。これは致命的。
逆にいうとインクさえ良ければ良い多機能ペンと言えるのだが…という多機能ペンだった。
最後にアフィリンクを貼っておく。
最後までご覧いただきありがとうございました。